呼吸法

健康を語る上で呼吸法の重要性を意味する言い方で、「食事は1週間くらい食べなくても死なない。水は二三日飲まなくても死なない。呼吸は3分しないと死んでしまう」と言われる。しかし殆どの人は呼吸を特に意識することなく行っている。武道においても呼吸は重要とされ、一般的に吐くときは実、吸う得は虚であり、相手が息を吸ったときに攻めることが有効であるといわれている。

最近私が呼吸について感じた事は、手裏剣を打つ瞬間、無意識のうちに呼吸を止めていることに気が付いたことである。強く打とうとして呼吸を止めて力んでしまうようである。これはまずいと思い、極力息を肚から吐きながら打つように心がけている。

居合においても、抜付け、斬下げのときに呼吸を止めると、どうしても力みが出るように思われる。どのような呼吸法がよいのか、研究の余地がある。

武道においては エイとかヤ- とかの掛け声を出すことが多い。流派により独特の掛け声があるが、当流の居合術においては原則無声である。この掛け声も呼吸法との密接な関連があるものと思われる。

呼吸法は奥が深く、難しい。私も谷中にある丹田呼吸法の道場に行ったり、白隠禅師の「夜船閑話」の本を買って自分で試みたが、難しくて途中で挫折した。実際に行っているのは、歩きながらの「三呼一吸」や 吐く息を長くして横隔膜を動かす、単純な複式呼吸である。刀を抜く瞬間、いかに気配を消して悟られずに抜くかという課題は、呼吸法とも関連が深いはずである。更に研鑽をしていきたいと思っている。

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