講習会

昨日、田宮流講習会を開催した。約30人の方に参加していただき、無事終了した。

常々考えていたことであるが、居合の演武は氷山の一角のようなもので、見えていない海中の部分が重要な意味を持っていると思う。見えていない部分の充実度で武道家としての力量が量られると考えている。当然そこには内面的、精神的な要素も多く含まれる。志の高さ、人格、見識、人柄、人生経験等である。

 

内面的な要素は各々が各々の方法で磨いてもらうこととして、講習会等で出来ることは、目に見えない部分の充実を図るための稽古方法等を紹介することである。

過去の講習会では、設対者をつけて稽古することにより、仮想の敵のリアリティを感じてもらい、間合い、気配、動きを制約されている状況等を把握する稽古法を紹介してきた。

今回は「残心」を主題とした。残心の重要性は居合道人ならだれでもが認識するものであるが、口で残心を示せと言われても、戸惑うことが多いと思う。そこで打太刀をつけて、シンプルな組太刀を行い、残心がなければ攻められていまう状況を作って、残心を示す方法を稽古した。このような稽古はちょっとやってみるだけではほとんど効果はない。単純な稽古を何度も繰り返すことにより、会得するものである。講習会に参加する方は具体的な業前のポイント等、目に見える成果を望んでいる場合も多い。限られた時間内にこのような要望にも応えようとすると、あれも、これもということになってしまう。

参加していただいた方が何ほどか得るものがあったならば、良いと思っている。

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