勝負の世界

スキ-ジャンプの高梨沙羅選手や、アイススケ-トの羽生結弦選手など、一流アスリ-トのインタビュウ-を聞いていると、二十歳そこそこの選手でもしっかりした受け答えに驚かされることがある。インタビュア-の質問に的確に答え、支えてくれた人や応援してくれたファンに感謝の言葉を忘れない。常にどうしたら勝てるかを工夫し、努力を重ね、ライバルと切磋琢磨する日々が、人間的にも大きく成長させたものと推測される。

古武道では、その技量の優劣を他人と比べたり、勝敗を争うことはしない。「一文は無文の師、他流に勝つにあらず、昨日の我に今日は勝つべし」という新陰流の教えが基本的な構えである。年齢や経験や、身体的能力が違っても、各々が日々の稽古の積み重ねにより、昨日の自分、一年前の自分より少しでも上達していれば良いという考え方である。

しかし競争がない世界は、一つ間違えれば皆が居心地がよいぬるま湯的な世界に堕ちる懸念がある。このようなことにならぬよう自戒する必要がある。

アスリ-トの選手生命は短い。一方武道の修行は一生である。選手生活は人生の一部であり、武道の修行は人生そのものといえる。

勝負の世界に生きるアスリ-トに畏敬の念を持ちつつ、志を高く持ち、日々研鑽をしていきたいと思う。

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