正しい姿勢

居合は姿勢が美しいと、立派に見える。しかし、正しい姿勢とはどのような姿勢かと問われたら、明確に答えることは難しい。正しくないと思われる姿勢を答えることは出来る。一つは肩に力が入り、上半身に重心が固まった姿勢、一つは所謂「きをつけ」の号令にあるような、背筋に力を入れたやや後ろに反る姿勢、一つは猫背で、頭の部分が脊椎の上にのっていない姿勢等である。

現時点で目指している姿勢は、肩を落とし、下腹部(所謂下丹田)に力が漲り、目付が遠くになるよう、心がけている。イメ-ジとしては、背中よりも腹を伸ばす感覚を大切にしている。

この姿勢は立った状態より、正坐の状態のほうが上手くできるようである。正坐からの居合の型が多いのも稽古の段階を踏むうえでは有効である。

しかし、武道の本旨を考えれば、そもそも正しい姿勢などないのかもしれない。無理に美しい姿勢を意識するよりも、千変万化する状況に合わせて、最も合理的な剣の裁きと体の運用を目指すことが、結果として美しい姿勢となるようにも思われる。更に研鑽を積みたいと思っている。

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